芳賀サイエンスラボ

池のプランクトンを顕微鏡で見よう

Posted on: 2012年9月17日

2012年9月17日    筑波大学2B501実験室、松美池  くもりときどき雨

●目的

プランクトンネットの工作、自分で作ったプランクトンネットを用いての採集、顕微鏡観察を通して普段小さくて目にすることのないプランクトンに親しむ

●参加者

スタッフ: 秋山茉莉花、雨宮萌恵、松尾恵梨子、芳賀和夫

午前:キッズ 25,保護者 18

全参加人数:スタッフ4人 ,キッズ25人  ,保護者18人     計47人

●時程

9:50 説明

10:10 プランクトンネットの工作

11:20 顕微鏡の使い方説明

11:40 採集

12:35 昼休み

13:30 観察

15:00 まとめ

●内容

1.説明(パワーポイントを用い、秋山が行った)

~プランクトンってどんな生き物?~

プランクトンのイメージは水の中に生息する小さい生物であるが、クラゲなど大型のプランクトンも存在する。メダカ、ヒトデ、クラゲ、ヤゴのどれがプランクトンかを当てるクイズを行い、プランクトンは水の中を漂って生活する生物であるという認識をもつ導入とした。子どもたちは積極的に手を挙げていた。

プランクトンには大型のものもいるが、種数を多く見たいなら顕微鏡サイズのものを観察するのが良い。そこで今日は、プランクトンを顕微鏡で見てみる。

顕微鏡サイズのプランクトンを観察する際に指針となる分け方を紹介した。単細胞・細胞群体・多細胞、植物プランクトン・動物プランクトンである。

~プランクトンゲットだぜ大作戦!~

プランクトンの採集の仕方を環境ごとに紹介した。浅い池で底に小石があるなら、小石を少量の水と共にビニール袋に入れて振り、小石に付いているプランクトンを採る。水面に大量発生しているなら、ビニール袋を裏返して水面に付けて採る。深さがあり、肉眼で見えるほどプランクトンが大量発生していない池の場合はプランクトンネットが活躍する。

2.プランクトンネットの工作

~材料~(一人当たりの個数)

・ペットボトル(1本)

・排水溝用不織布ネット(1枚)

・ビニールテープ(1巻き)

・はさみ(1本)

・ホッチキス(1個)

・たこ糸(4m)

・採集ボトル50mlファルコンチューブ(1本)

・ビー玉(2個)

~方法~

・ペットボトルの口と底を切り落とし、適度な大きさの筒にする。

・ペットボトルの四方の角にL字型の切れ込みを入れる。

・排水溝ネットを半分に折り、端を5か所ホッチキスで留める。片側は端まで留めない。

・排水溝ネットをペットボトルにくぐらせ、上から出た部分を折り返してビニールテープで留める。この時、ホッチキスで留めていない方がネットの上になる。ペットボトルの切れ込みがビニールテープで覆われないように注意する。

・ネットの反対側に採集ボトルをビニールテープを巻いて取りつける。

・たこ糸を4本切り出し、ペットボトルの切り込みに結びつける。

・たこ糸を4本まとめて結び、残りのたこ糸も結びつける。

・採集ボトルにビー玉を入れる。

~作製中の様子~

「L字型」という言葉が伝わりにくく、表現の改善が必要。一番時間がかかったのはペットボトルにたこ糸を結びつけるところだが、子どもたちは工夫して取れないように結びつけていた。

3.顕微鏡の使い方説明(松尾が行った)

パワーポイントを用意していたが、機器の不具合により黒板を使って行った。顕微鏡を一人一台出し、レンズの使う順番やピントの合わせ方を中心に行った。

4.採集

松美池でプランクトンネットを用いた採集、天の川で水面の泡の採集を行った。プランクトンネットは10回投げた。

~道具~

・手作りプランクトンネット

・チャック付きの小さなビニール袋

・蓋付きのプラスチックフラスコ

~採集中の様子~

実演を1回やったら、子どもたちは上手く真似をしてネットを投げることができた。たこ糸を離してしまう子が5,6名ほどいたので、たこ糸を手首に結びつける方法を説明した方が良かった。落してしまったネットは他のネットや木の枝を用いて回収できた。

ネットの採集ボトルから蓋のできるフラスコへ水を移す方法を個別に説明したが、最初に全員の前で行っても良かった。

天の川では水面の泡の採集を行ったが、始めの説明で小石から採集する方法も説明していたので、実践してみたいという子が4名ほどいた。後で袋を渡して昼休みに行ってもらったが、時間があれば全員にやってもらっても良かった。

5.観察とまとめ

~道具~

・光学顕微鏡

・ピペット

・スライドガラスとカバーガラス

・鉛筆や色鉛筆

・A5サイズの紙

・マグネット

・図鑑のコピー『やさしい日本の淡水プランクトン』(合同出版)

~観察中の様子~

プランクトンとゴミや汚れの違いが慣れないと分かりにくいので、質問してきた子の顕微鏡ではスタッフがピント合わせをやってしまったが、スムーズに観察ができた。一度見るべきものが分かれば、後は子どもたちは自分で探せる。

見つけたプランクトンは絵に書いてもらって、黒板にマグネットで貼った。最初に説明した単細胞・細胞群体・多細胞と植物プランクトン・動物プランクトンの6タイプに分類して貼った。この池で見られる動物プランクトンに群体はいないこと、植物プランクトンに多細胞はいないこと、他に特徴的なものをピックアップして説明したが、まとめは準備不足が否めなかった。

●スタッフ感想

<雨宮>

最初の導入でスライドを用いた説明が非常にわかりやすかったです。写真も多かったため、一目見てとても理解しやすい内容でした。要所要所で質問形式を取っていたため、キッズはより本日の内容ややること、活動の目的などを理解できたと思います。
工作は思ったより時間が掛かってしまいましたが、怪我をするキッズもなく、親子や友達同士で楽しみ、手伝いながら皆上手に作ることができました。切り込みを入れたところにひもをくくりつける作業では、苦戦しているキッズも見られましたが、どうやったらしっかり外れぬよう結びつけられるか考えながら工夫しているキッズの姿が印象的でした。

午後の観察では、プランクトンを見つけて嬉しそうな声を上げるキッズに私も嬉しくなりました。
事前の打ち合わせで出た「キッズのスケッチを黒板に分けて貼る」というアイディア、実現できてす

ごく素敵だったと思います!
全体を通じてスムーズに行えたこと、一日を通じて「目的、方法、実験、考察」というサイエンスな

らではの形式に沿ってじっくり活動できたことが素晴らしかったと思いました。
改善点は特に思いつかなかったです。

<松尾>

・観察したものをスケッチするという目的を持たせたのはうまくいったと思う。

去年のプランクトン回のときより、諦めたり飽きたりする子が少なかった。

・次は分類のプリントにも手を加えてみたい。「原生生物」でまとめられている群の中にも

たくさんの系統があることを知ってもらえるような内容だと良いと思う。

・顕微鏡のレクチャーは午後の始めにすべきでは?という芳賀先生からの指摘があった。

確かに現物を見ながら指導するのがベストだとは思うが、いったん観察に引き込まれた

子供たちを1ステップずつ止めて説明に戻すのは割と厳しいのでは、とも思う。

今後のタイムテーブル作りの時に考慮していきたい。

<秋山>

集団指導に慣れていないので、どのくらいの人数の子どもたちが作業を終われば次に進んでいいかの見極めが難しかった。全体的に時間をかけすぎてしまったのが反省点である。

プランクトンネットの試作品を芳賀先生に見せて打ち合わせる際に、子どもたちが自分で作り方を工夫できる点があると良いとアドバイスをいただいたが、特にその点を意図して盛り込むことはできなかった。しかし、たこ糸をペットボトルに結びつける作業の時は子どもたちが普段やらない作業に熱心に取り組む姿が見られ、結果として糸がペットボトルから外れてネットを落としてしまう事故もなく、図らずも大変良かった点である。

顕微鏡の使い方を午前に行ったことで、午後にすぐ観察を始められたのは狙いどおりだった。

次に行う時は、サイエンス・キッズらしさを崩さぬまま、体験だけでなくもっと何かしらのメッセージ(生態学や系統分類学が垣間見れるようなもの)を、まとめで盛り込めるようなプログラムを作りたい。

記入者

生命環境科学研究科 博士前期課程1年

秋山茉莉花

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