芳賀サイエンスラボ

Archive for 9月 2016

2016925日 於 栃木県、鬼怒水辺観察緑地

●目的
アカトンボを採集し、観察する。観察を通してアカトンボについて知る。

 

●参加者

講師: 芳賀先生

スタッフ: 相澤良太、須藤裕子

午前:キッズ23人/保護者17人

参加者計: 40人

 

●所要時間

【午前】
9:30~ 受付と虫網の組み立て

9:40~ 説明
9:50~ アカトンボ採集
10:40~ アカトンボの紹介
11:50~ まとめ、説明
12:00  解散

 

●内容

組み立て式の虫網を使いアカトンボの採集をし、観察した。観察の時には、写真のアルバムフィルムにはさむことで観察をよりやりやすく行った。会の最初では、芳賀先生の説明によりトンボの翅の模様や形によって種が同定できることを教わった。今回の会でみられたトンボとして、アキアカネ、ナツアカネ、マイコトンボ、ギンヤンマなどが挙げられる。なお、真岡市指定の天然記念物であるマダラヤンマを目視で確認できた子供も数人いた。

 

写真-アカトンボ採取と観察の様子

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写真-アカトンボについて説明を聞くキッズたち

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●主宰者からのひとこと

長雨が上がって,久しぶりの薄日がもれる真岡の鬼怒観察緑地でしたが,アカトンボは期待したほどの種類や数はありませんでした。しかし,ぜひ見たいと思っていたミヤマアカネを採った子どももいて,アキアカネ,ナツアカネ,マイコアカネ,ノシメトンボは多くの子どもが採りました。採ったアカトンボはL判写真用のアルバム用紙にはさんで模様や色などを観察した後,放してやりました。アカトンボ以外にもギンヤンマ♂♀,ハグロトンボ,アオモンイトトンボ♂♀,アジアイトトンボなどが採れました。マダラヤンマを目撃した人もいました。

この緑地は堤防上から全景が見渡せるので,引率者は掌握が楽です。緑地に降りる階段は「階段教室」になるので提示や説明に使えます。

また,事前に隣接の国土交通省防災センターを使用する手続きをしていたので,そこで,スライド映写やお話しもできました。

緑地園路に枝を伸ばしているサクラの木の葉にアオイラガの幼虫が並んで付いていて,それに触れた母親の上腕が赤く腫れました。さいわい,誰かが持ち合わせたキンカンを塗ったところ,腫れはおさまりました。今後,野外用のザックの中には消毒薬やバンドエイドに加えてキンカンも入れておくようにします。(芳賀)

 

●スタッフ感想

<相澤良太>
今回はしばらく続いていた雨がやみ、気温が上がったためか多くのトンボを見ることができました。私自身見たことがない種類もあり、種類をキッズに教えてあることができないことが多く、事前の下調べや詳しい図鑑が必要だったと思いました。キッズは芳賀先生に教えられた同定方法を思い出しながら捕まえた赤トンボの種類を考えていました。キッズにもトンボの種類を見分けるために、簡単な図鑑のようなプリントがあったほうが理解も深まると思います。今回観察に使わせていただいた鬼怒自然公園では非常に多くの種類のトンボが観察されました。今はなかなかこのような場所はないので、ぜひキッズにもなぜここまで種類が多いのかについて思いを馳せてほしいと思います。

 

<須藤裕子>
今回は「アカトンボと遊ぼう」という題名の通り、トンボを捕まえるだけでなく捕まえたトンボを非常によく観察しているキッズもたくさんおり、うれしく思いました。特に、アキアカネやナツアカネなどといったアカトンボの仲間は、胸の線の付き方で同定を行うといった難しい違いを、いとも簡単に同定している様子は驚きました。また採集をするために緑地にいたのですが、キッズたちはトンボだけでなく小川にいるザリガニや草原のバッタにも興味を持って観察しており、キッズたちの好奇心旺盛な姿とさまざまなものを見つける観察眼にも驚きました。

今回の会を通して、「このトンボの名前は?」だけでなく、「トンボの体のつくりってどうなっているのだろう?」「どうしてこんなに薄くて小さい翅で飛べるのだろう?」などといったさらなる疑問を考えていただければ、と思います。

 

記入者
筑波大学 生命環境学群 生物学類 3年

須藤裕子

2016年9月22日 於 筑波大学

●目的
水の中にいる小さい生きものを集める道具を工夫して作り、その道具で池から採ってきたものを調べます。

●参加者
講師: 芳賀先生
スタッフ: 渡辺ありさ、齋藤翠、田村響子

午前: キッズ27人/保護者21人
午後: キッズ13人/保護者9人
参加者計: 70人

●所要時間
【午前】
9:40~  受付、先生挨拶、説明「プランクトンとは」
9:55~  プランクトンネットの作り方説明
10:20~ プランクトンネット作成
11:00~ 採集方法説明、プランクトン採集
11:30~ 顕微鏡の使い方説明、プランクトン観察
12:00~ 片付け
12:40  完全解散

【午後】
13:10~ 受付
13:30~ 先生挨拶、説明「プランクトンとは」
13:45~ プランクトンネットの作り方説明
14:00~ プランクトンネット作成
14:55~ 採集方法説明、プランクトン採集
15:20~ 顕微鏡の使い方説明、プランクトン観察
16:00~ 片付け
16:20  完全解散

●内容
プランクトンとはどのような生物か説明。入手が容易な材料でプランクトンネット作成。天の川上流の池にてプランクトン採集。顕微鏡を使用し、採集したプランクトン観察。

〈プランクトンネットの材料〉
・500 mlペットボトル(できれば断面が四角形のものが良い) 1本
・三角コーナーのネット 1枚
・化粧水用の容器 1個
・アルミ皿 1個
・ビニールテープ
・両面テープ
・ビニール紐 約4 m
・ビー玉 1個
・はさみ、錐

〈プランクトンネットの作り方〉
(1)アルミ皿の底を抜く。
(2)底を抜いたアルミ皿に、両面テープで三角コーナーのネットを接着し、さらにビニールテープで固定する。
(3)ペットボトルの上部を切り取る。
(4)三角コーナーのネットの、アルミ皿を取り付けたのとは反対側の端を切り取り、ペットボトルの上部を(2)と同じ要領で固定する。
(5)ペットボトルの口の部分に、ふたを取った化粧水用の容器をはめ込み、ビニールテープで固定する。
(6)アルミ皿の直径の2倍のビニール紐を2本用意する。
(7)アルミ皿の縁に向かい合うように4カ所穴を開け、(6)の紐を向かい合う穴に通し、皿の縁に結ぶ。
(8)残りのビニール紐を、(7)の紐が交差する部分に結びつける。
(9)化粧水用の容器におもりのビー玉を入れる。

【主宰者のひとこと】
池の水の中に小さい生きものがいっぱいいることを知るために,(ア)プランクトン・ネットを自作して,(イ)池に持って行って採ってくる。(ウ)それを顕微鏡で調べる,という作業は,2時間半では時間が足りませんでした。以前は,午前中に(ア)と(イ)をやって,午後を(ウ)に当てるという1日コースでやりましたが,今回は参加希望人数が多く,顕微鏡の台数もあって半日交替にしたため。(ウ)の時間が不十分でした。しかし,工作も,雨の降る中での採集も検鏡も,とても楽しく面白かったと言ってくれる人もいて,所期の目的は得られたかと思います。
プランクトン・ネットは,従来の部品が品薄で数が足りず,急遽,仕様を変えることになったため,スタッフの事前講習ができなかったことも影響したかもしれません。ネット部分は「台所用の水切りネット(ストッキング型)」,口金部分は「アルミ深皿(12cmφ 底を抜く)」,回収容器は「30ml 丸肩透明プラスチック詰め替え容器」で,いずれも百円ショップで購入しました。容器にはおもり用にビー玉を入れました。ネットと容器の接続部分としてペットボトルの肩までの口部分を使いました。ペットボトルは工作しやすい角形を主に使いました。なお,これらの部品とネットとの接続には細い両面テープとビニールテープを使いました。このプランクトンネットには3m くらいのひもを着け,その一端を足首に巻いて,投げ込んだときの逸失に備えました。
工作を要領よくできれば,もう少し検鏡時間が取れて,半日コースでも十分可能であると感じました。(芳賀)

●スタッフ感想
〈渡辺ありさ〉
プランクトンネットの作り方について、ギリギリに決まったものの、
去年より作りやすく、こどもが自分の力で作ることができたのでよかったと思います。
十分に自分で採ったサンプルを観察することができたのではないでしょうか。
顕微鏡のピントの合わせるのは大人でも慣れてないと難しいので、
今回もシールを使ってピントを合わせる方法を行いましたが、
うまく説明できずに終わってしまい申し訳なかったです。
この季節の天の川は植物プランクトンの中ではゴレンキニアが優占していました。
季節や場所によって観察できる植物プランクトンの種も変わってくるので、
今回のプランクトンネットで採取して植物プランクトンの多様性を感じてもらえると嬉しいです。

〈田村響子〉
雨が降る中でしたが参加者が多く、顕微鏡でプランクトンを見るという、なかなかできない体験を楽しみにしていることが伺えました。
工作では、キッズだけでは難しい部分も、保護者が上手くサポートしていました。
観察では、顕微鏡のピントが合わず、苦戦するキッズが多くいましたが、ピントを合わせるところだけ手伝うと、プレパラートを好きに動かし、観察を楽しんでいるようでした。ストローでサンプルを採取するのが難しかったようなので、スポイトがあると良いと思います。微生物の種類を尋ねられても、大まかな分類しか答えられなかったところが反省点です。ワムシの仲間、緑藻の一種、珪藻の一種などを観察することができましたが、プランクトンをなかなか見つけられないキッズもいたので、あらかじめ数種のプランクトンを用意しておくのも良いかと思いました。
長時間のイベントでしたが、集中を切らすことなく参加してくれて、素晴らしかったです。

記入者
筑波大学生命環境学群生物資源学類1年
田村響子

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2016年09月11日 於 霞ケ浦環境科学センター

  • 目的

普通の折り紙とはひと味違った手法を用いて紙を3:4に折り、よく回るかざぐるまを作る。たとう折りを学ぶ。

  • 参加者

講師: 芳賀先生

スタッフ: 藤井啓太、杉原翔吉

午前:キッズ20人/保護者9人

参加者計: 29人

  • 所要時間

【午前】

9:00~ 受付

9:30~ 60°かざぐるまの製作、たとう折りの練習

11:00~ 3:4かざぐるまの製作

12:00~ まとめ、解散

12:30  後片付け

  • 内容

「3:4かざぐるま」は最初に折り紙の各辺を3:4に内分する点を取り追っていくかざぐるまです。この内分点は紙を縦四等分するような折り方ではなく、芳賀先生独自の「芳賀折り」を使って決めるためキッズ達もどうしてこれで3:4に内分できるのか不思議に思ったのではないでしょうか。

「たとう折り」は紙の柔軟性を利用した面白い折り方で、キッズにとって難所になったようです。一方コツをつかんだキッズは大小さまざまな紙でかざぐるまを量産していました。

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【主宰者のひとこと】

おりがみの中心に回転軸を刺すとして,その周りに大小二重の井桁を折り線作図し,それをたとう(畳重)折りして,折るだけで4枚の羽根を作るという作業手順で,まず,最初に作図しやすい60°羽根かざぐるまを作ることにしました。ダブル井桁が折り上がったところで,別のおりがみで,直交対角線に1辺ずつ線辺折りをしたもので,たとう折りの練習をしました。60°羽根かざぐるまが2つできたところで,本題の「3:4かざぐるま」に移りました。1辺を3:4に分けるのは1辺を7等分することにつながります。しかし,割合簡単に3:4に分割できるので,最もたいへんなのはダブル井桁のたとう折りになります。今回は親子同席にして,協力し合えるようにしたのですが,親が子にするだけでなく,子が親に教えるほほえましい光景もみられました。

なお,回転軸には,サンドイッチなどに使うフラッグピック(プラスチック楊枝)の旗を外して使い,保持棒にはストローを,それぞれ1人5セット用意したので,自分で形を工夫したものもふくめて大きさも多様なかざぐるまづくりが楽しめました。

 

  • スタッフ感想

<杉原翔吉>

今回、自分は初めてオリガミクス参加であり、最初はおり方にかなり苦労したこと、先輩も今までのオリガミクスの中で難易度が高い方とおっしゃっていたことから 子供たちにうまく教えられるか不安でした。しかし、さすがはキッズ達で中には難なくたとう折りをこなす子もおり感心しました。根気のある子も多く、途中で投げ出すことはあまりなく何度も挑戦する姿が見られました。

とはいえどもやはり難しい折り紙で、スタッフとしてもう少し早めに手伝って上がればよかったかなと反省するところも多くありました。また、たとう折りに比べれば簡単な3:4の内分点の決め方ですが、ここを丁寧に折らないと最後に羽がアンバランスになってしまうのできちんと折れているかチェックしてあげていればよかったと思います。

 

<藤井啓太>

今回の3:4風車の点対称に4方向同じ折り方をする畳紙折はスタッフの僕自身も難しく感じるものでした。3か所目までの折り方から最後の一か所の結果を逆算することで辛うじて折ることができている程度でしたので、キッズへ丁寧な説明ができずに終わってしまったことが心残りです。

しかしキッズの皆も一生懸命取り組んでいました。中には泣き出してしまう子もいましたが、一緒に悩み考え、最終的にはかざぐるまが完成しました。その後も、よく回る折り方を探してみたり、サイズの違うかざぐるまで回り方を比較したりと、研究者顔負けのキッズたちでした。

 

さて、余談ですが、何故小さなかざぐるまの方が早く回ったのでしょうか?これは、人間の息で吹き付けることができるエネルギーはある程度決まっている中、小さなかざぐるまの方が小さなエネルギーで一回点できるからです。

と、ここまではわかるキッズも多いかなと思うので…、けいたお兄さんからクイズ!

では、何故世の中の風力発電はサイズが大きいのでしょうか?

また会った時に聞いてみてね。

 

記入者

筑波大学 生命環境学群生物学類1年

杉原翔吉

2016年9月3日 於 森林総合研究所
●目的
森の歩き方を学んだり、樹木や昆虫に親しむ

●参加者
講師: 芳賀先生、井上先生
スタッフ: 中井彩加
午前:キッズ18人/保護者15人
参加者計: 30人

●所要時間
【午前】
9:30~ 受付と説明
10:00~園内の散策
11:30~室内展示の見学
12:00 解散

●内容
園内を散策し、カエデの仲間の葉のシルエット当てクイズやコナラの仲間を探したり、井上先生のご案内で園内を巡りながらアリや葉っぱのにおいをかいだり、ムクロジ(無患子)の実をせっけんにして手を洗ったりしました。

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【主宰者のひとこと】

森林総合研究所構内の樹木園で行うこの回は,同所多摩森林科学園の井上大成さんにご協力いただいています。今回も,フシボソクサアリの観察,カツラのマルトースの匂い,ニオイヒバと隣にある木のサワラとの葉の匂いのちがい,サワラトとヒノキの葉裏の白いアルファベットXY,ムクロジの実のサポニンなど,いろいろなお話しと体験がありました。
芳賀はカエデ属 Acer の11種類の葉のシルエットプリントを渡して,実物と絵合わせをして名前を知るパズルとコナラ属 Quercus の8種類を比較する実習をやりました。後者も絵合わ せにしたいと思いました。
その後,森の展示ルームに移動して展示物を見たり感覚を体験したりしました。また,昆虫調査に使う自動採集装置マレーゼトラップなどについても実演紹介していただきました。
井上さんには,イスノキの葉などにつく虫こぶ(ゴール)から抽出される物質(タンニン)によってインクが着色する様子を,キッズそれぞれに文字や図を描いた「隠し絵」に抽出液をスプレーするとはっきり着色する実験も指導していただきました。(芳賀)

●スタッフ感想
<中井彩加>

カエデのシルエットクイズは判別が難しいものや、見つけにくいものがあったのですが、全問正解のキッズがたくさんいて、キッズたちのよく観察する能力を感じました。生き物を分類するとなると、例えばハエなどでは翅に生えているとても小さな毛の本数が重要になるなど、些細なことも観察して見分ける能力が重要になってきます。今回のクイズで生き物を分類するということの初歩を学んでもらえたのではないかと思いました。全体的に人数もそれほど多くなく、特に問題もなく回を終えることができてよかったです。私自身もキッズたちとともに井上さんから森についてたくさんのことを学ばせていただきました。木や虫について知らないことは無数にあって、もっと学びたいと思いました。

記入者
筑波大学 生命環境学群生物学類3年
中井彩加


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